海外ニュースで目を引くものがありました。
アメリカ シカゴの製薬会社Novum Pharmaが破産申請を行ったようです。
それだけだと特に気になりませんが、そこに至るに自由薬価制度下での異常な急激な薬価上昇がありました。
日本では公定薬価として製薬会社が勝手に薬価を定めることは出来ませんが、アメリカでは自由薬価制度の元自由に定めることができます。(たまに政府から圧力が掛かることはありますが。)
同社の扱う外用剤Alcortin Aは当初250ドル程度でしたが最終的には8000ドル(約90万円)で売られていたそうです。NOVUMのHPを見る限りAlcortin Aの他にQUINJA、NOVACORTと3製剤取り扱っていたようですがどれも同じように価格が吊り上がってます。
そもそも何の薬なのかAlcortin Aの成分を見ると、「ステロイドと抗真菌・抗菌成分、アロエ成分」
炎症や真菌、カンジダ感染等の治療薬のようですが、効能から見ても代替品はいくらでもありますし、残念ながらエビデンスが少なくFDAの評価もさほど高くなかったようです。
製造上の問題や取引先とトラブル・代替薬の上市等で収益が悪化し、価格を上げることで経営を維持しようと繰り返し価格を上げることになり、結局は破産申請に至ったようです。
それにしてもチューブ一本100万近いって凄いですよね。
一方国内に目を移すと
NOVUM社の場合、異常とも思える値上げで収益を確保しようとしましたが日本国内の製薬会社は簡単には値上げは出来ません。
薬価を上げる制度自体はありますが、
供給が絶たれると医療に差支えがあるが不採算な医薬品
とハードルが有る為何でもというわけにはいかないのです。
逆に、薬価改定毎で数パーセントずつ薬価が下がることを考えればより厳しそうだなぁと感じます。
米国株でヘルスケアセクターにはVHTで投資してますが、万が一米国株に投資できなくなったら医薬品(TOPIX-17)ETFにでも投資しますかね。なんかパフォーマンス冴えないけど。
そんな興味を引かれたニュースでした。